TOEIC®L&Rテストである程度のスコアを獲得すれば、進学や就活、昇進などさまざまな場面で役立ちます。
そのため、TOEIC®L&Rテストの受験に興味のある方も多いではないでしょうか。
初心者の方や英語力に自信のない方は、まずは500点を目指すところから始めると良いでしょう。
しかし、TOEIC 500点は一体どのくらいのレベルなのでしょうか?
今回は、TOEIC 500点のレベル感や、到達するために必要な勉強時間などを解説します。
また、TOEIC®L&Rテストについての基礎知識や、効果的な勉強方法などもご紹介しますので、TOEIC®L&Rテストが初心者の方、なかなかTOEIC 500点を突破できずにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
TOEIC 500点のレベルとは?
ここでは、TOEIC 500点がどのくらいのレベルなのかが分かる情報をお伝えします。
TOEIC 500点の英語レベルはどのくらい?
2022年3月に実施されたTOEIC®L&Rテストの平均スコアは603.4でした。(※1)
そのため、TOEIC 500点は平均点よりも低いことが分かります。
平均点を下回るスコアであることから、500点はレベルが低いと思われる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
そもそも、TOEIC®L&Rテストを受ける人たちは、普段から英語を勉強している人たちです。
TOEIC®L&Rテストの受験者以外の人たちも含めると、TOEIC 500点を取得する人たちは、初級~中級あたりのレベルといえるでしょう。
なお、TOEIC 500点は、英語での複雑な会話となるとうまくコミュニケーションを取れない場合もあるが、普通の日常会話では問題なくやり取りができるレベル。
伝えたいことを伝えられる語彙力があり、文法の基礎事項も理解しているレベルです。
※1参考元:IIBC「平均スコア・スコア分布 詳細 (第291回)」

英検®など他のテストに換算
TOEIC 500点を英検に換算すると、何級になるのでしょうか?
文部科学省の「英語の資格・検定試験に関する基礎資料」(※2)には、英検®2級がTOEIC 550点以上のレベルであることが記載されています。
よって、TOEIC 500点は英検®2級よりも、やや低いレベルであることが分かります。
TOEIC 500点は、TOEFL IBT®なら48点程度、IELTSなら4.0~4.5程度に相当します。
※2参考元:文部科学省「各試験団体のデータによるCEFRとの対照表」
TOEIC 500点を突破するために必要な勉強時間
ビジネス英語研修カリキュラムの開発などの事業を展開する、プロリンガのデータ(※3)によると、TOEIC 500点を突破するために必要な勉強時間は以下のとおりです。
- TOEIC 200点の場合:450時間
- TOEIC 300点の場合:350時間
- TOEIC 400点の場合:200時間
上記を参考にすると、TOEIC®L&Rテストに向けて1日3時間勉強する場合、TOEIC 200点程度のレベルの方は約5カ月、TOEIC 400点程度のレベルの方は約2ヶ月で、TOEIC 500点に到達できる計算になります。
とはいえ、集中力や勉強方法は人それぞれ異なります。
また、独学か講師の指導のもと対策を行うのかで勉強時間は変わりますので、上記はあくまでも目安です。
※3参考元:プロリンガ「TOEIC情報」

TOEIC®L&Rテストについての基礎知識
TOEIC 500点の取得に興味のある方のなかには、初めてTOEIC®L&Rテストを受験する方や、受験し始めたばかりで、あまり基礎知識を知らない方もいると思います。
そこでここでは、TOEIC®L&Rテストの基礎知識をお伝えします。
受験料
TOEIC®L&Rテストの受験料は7,810円(税込)です。
なお、TOEIC®L&Rテストには、「リピート受験割引サービス」と呼ばれるサービスがあります。
公式サイトから同じIDで受験を申し込むことで、1年後の同月から3ヶ月の間で行われる試験のうち、1回が割引価格の7,150円(税込)となります。
次の年も、さらに次の年も同様に割引サービスが受けられるため、定期的にTOEIC®L&Rテストを受験する方は、公式サイトから申し込むと良いでしょう。
試験時間
TOEIC®L&Rテストの試験時間は約2時間。
リスニングセクションの時間は約45分、リスニングセクションの時間は75分です。

7つのパートの問題構成
TOEIC®L&Rテストは7つのパートで構成されており、Part1~Part4ではリスニングの問題、Part5~Part7ではリーディングの問題が出題されます。
各パートで出される問題の構成は以下のとおりです。
- Part1写真描写問題(6問):最も的確に写真について述べられている選択肢を選ぶ。
- Part2応答問題(25問):問題冊子に問題文が書かれていない。音声だけを頼りに最も適切な選択肢を選ぶ。
- Part3会話問題(39問):2、3人の会話を聞いて最も適切な選択肢を選ぶ。
- Part4説明文問題(30問):留守番電話などのトークを聞いて最も適切な選択肢を選ぶ。
- Part5短文穴埋め問題(30問):短文の中にある空欄に入る最も適切な選択肢を選ぶ。
- Part6長文穴埋め問題(16問):長文の中にある空欄に入る最も適切な選択肢を選ぶ。
- Part7読解問題(54問):ビジネス文書や広告などを読み、最も適切な選択肢を選ぶ。

題材となる場面や会話
TOEIC®L&Rテストでは、ビジネスシーンが題材として扱われます。
たとえば、リスニングセクションでは、社員への連絡事項や企業合併のニュースなど。
リーディングセクションでは、ビジネスメールやビジネス文書が問題に出題されます。
英語を使った仕事現場でも使われる単語やフレーズもよく使用されることから、TOEIC®L&Rテストの勉強をすることで、ビジネス英語が身につくでしょう。
また、日常英会話も題材となります。
たとえば、Part1の写真描写問題では、車や家具といった生活に密着する物の写真が使用されたり、Part4の説明文問題では、留守番電話や交通機関におけるアナウンスなどの音声が使われたりします。
リスニングでは4か国語の英語の聞き取りが必要
日本では多くの方が、アメリカ英語に親しみを感じるのではないでしょうか。
しかし、TOEIC®L&Rテストのリスニング問題では、アメリカ英語だけでなく、カナダ、イギリス、オーストラリアの4か国語の英語が使用されます。
特に、オーストラリアの英語は聞き取りが難しいため、オーストラリアの英語の音声が収録されたCD付きの教材を購入し、聞き慣れておく必要があるでしょう。

よくある課題:時間内に最後まで問題を解ききれない
TOEIC®L&Rテストの受験者の多くが、時間内に最後まで問題を解ききれない課題に直面します。
最後まで問題を解ききるため、英語力のほか情報処理能力や速読力を身につける必要があるでしょう。
長文読解力や速読力を鍛える方法については、後述する「TOEIC 500点を取るための勉強方法は?」を参照してみてください。
また、リーディングセクションにおける各パートの時間配分を考えて問題を解いたり、問題慣れしたりする必要もあります。
効率良くTOEIC学習を進めていくための秘訣は?
ここでは、TOEIC®L&Rテスト対策を効率的に進めていくための秘訣をご紹介します。
TOEIC®L&Rテストの特徴とは?
まずはTOEIC®L&Rテストの特徴を理解しておきましょう。
TOEIC®L&Rテストの特徴を把握しておくことで、どのように対策を進めていけば良いかが分かります。
TOEIC®L&Rテストは英検®のように級別、レベル別という概念がありません。
そのため、受験者はみな同じ問題を解きます。
出題される問題数は200問。
リスニングとリーディングで各100問の問題が出され、やさしい問題もあれば、難しい問題も混ざっています。
スコアについては、最低点が10点で最高点が990点となっており、正解数に基づいて決定されます。
たとえば、簡単な問題を70問正解した場合と、難しい問題を70問正解した場合では、スコアは同じです。
このように、難しい問題の配点が高いというわけではないので、まずは基礎固めを行い、基本的な問題を落とさないようにしましょう。

学習すれば点数を取れる問題から進めていくのがおすすめ
TOEIC®L&Rテスト対策を行う際、Part1→Part7(リスニング→リーディング)の順番で学習を進めている方が多いと思います。
もちろん、Part1から対策を始めても良いのですが、得点しやすいパートから対策してみてはいかがでしょうか。
たとえば、Part5では基礎問題が出題されますので、初心者でもしっかり対策を行えば点が取りやすいです。
Part1やPart2も点が取りやすいパートなので、Part1、Part2の後にPart5の学習に取りかかるなど、進め方を変えてはいかがでしょう。
効率良く点数を取るために、しっかり対策すれば得点できるところから抑えていくのがおすすめです。
また、一度学習して終わらせるのではなく、学んだことを、出来なかったことを、復習することが大切。
前回学んだ箇所を復習する習慣をつけることで、身につけたスキルの定着を促進できます。

また、同じ単語やフレーズに何度も触れることで、意味を覚えるだけでなく、使い方も身につけられます。
リスニングについては反復して聞くこと、リーディングは既に読んだ英文を早く読むトレーニングをしてみてください。
そうすることで、ストーリーのパターンが頭の中に蓄えられていき、聞いたり読んだりした内容をスピーディーに理解してく力がつきます。
TOEIC 500点を取るための勉強方法は?
ここからは、TOEIC 500点を取得するための勉強方法をご紹介します。
単語学習
当然ですが、ある程度の単語力がなければ、英語を聞いても読んでも理解できません。
したがって、TOEIC対策に特化した単語帳を使って、頻出の単語をインプットしていきましょう。
単語だけでなく例文と一緒に学ぶことで、単語の使い方も覚えられます。
また、単語を学習する際は、反復学習を取り入れるのもおすすめです。
私たちの脳は、たった一度学ぶだけでは、学習した内容がなかなか記憶に定着しません。
しかし、何度も何度も繰り返し学んで覚えれば、脳は勉強した内容がとても重要なものであると認識します。
その結果、学習内容が記憶に残りやすくなるのです。
また、フレーズで覚えるのも良いでしょう。
たとえば、”cutstomer(客)”という単語を覚える際は、”customers are shopping(顧客が買い物をしている)”の英文と一緒に学びます。
本番で”cutstomer”の意味を忘れても、”~are shopping”のフレーズを覚えていれば、”cutstomer”の意味を思い出せる可能性があります。

さらに、ただ単語を目で見てインプットしていくのではなく、語句や英文を音声で聞いたり、声に出して音読したりするのも良いでしょう。
音声化することで、記憶に定着させやすくなります。
文法
TOEIC 500点の獲得を目指すには、文法の基礎事項を学習する必要があります。
なぜなら文法を学ぶことで、英語を速く正確に理解できるからです。
また、英語は日本語と違って語順が非常に大切な言語。
語順が変わると意味が変わってしまうため、語順のルールをしっかり学ばなければなりません。
文法を勉強するときは、同じ文法項目を集中的に学習してみてください。
先ほど単語を覚える際に、反復学習を取り入れると良いとお話しましたが、文法学習でも反復学習が有効です。
同じ項目を集中して繰り返し勉強することで、脳内でパターン化され、考えなくても理解できるレベルに達します。
一度忘れても気にせず、何度も復習して文法事項をインプットしていきましょう。
また、英文をノートに書くのもおすすめです。
英文を書くことで英語の語順が習得でき、ライティング力も養われます。

リスニング
リスニング問題の対策としては、TOEICの形式に近い問題を解くのがポイント。
上述したとおり、問題冊子に問題文が書かれていないような問題も出されるため、問題慣れしておく必要があります。
また、問題を解いた後に、教材の英文を音読しましょう。
音読を繰り返すことでリスニング力がアップするほか、ストーリーのパターンも身につきます。
音読学習の際は、教材の音声に合わせてリピーティング、オーバーラッピング、シャドーイングなどの音読トレーニングを繰り返し行ってみてください。
音読学習については以下の記事で詳しく解説しています。
音読のやり方についてもお伝えしていますので、音読学習に興味のある方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてください。


リーディング
教材の長文問題を解いたら、その英文を速く読む練習をしましょう。
先ほどお伝えしたとおり、問題を解ききれずに悩む受験者が多いです。
最後まで問題を解ききるために、英文の意味を把握しながら速く読む練習を実施し、速読力を鍛えてください。
英文の速読のほか、多読も効果的です。
余裕があればいろいろな英文を読むと良いでしょう。
なかなか英語を英語で理解できない方は、英語の語順どおりに訳しながら読むのがコツです。
また、英語の文書の構造を理解しておくのもポイント。
たとえば、ビジネス文書では冒頭で概要が語られ、徐々に詳細の情報が記載されていくといった文書の構造を把握しておけば、知らない単語が出てきても、話の展開が推測できます。

オンラインレッスンを受講する
忙しい方や、なかなか集中して学習に打ち込めない方は、オンラインレッスンを活用してみてはいかがでしょうか。
自宅で学習できることから、わざわざスクールに通わずに済み、スキマ時間を使って勉強できます。
また、講師と一緒に対策できるので、独学よりも集中して学べるでしょう。
学習していて不明点に遭遇したときなども、講師に質問することが可能です。
スクールによっては、「英語力が向上しない…」「スコアが伸び悩んでいる…」といった学習の悩みも相談できます。
さらに、モチベーションも継続しやすく、学習管理をしてもらえるのもオンラインレッスンのメリットです。

おすすめの教材は?
TOEIC 500点を目指す方には、「書き込みドリル」という教材をおすすめしています。
「書き込みドリル」は、シリーズ累計部数40万部を誇る教材。
問題だけが掲載されている教材とは違って、基礎固めができるページがあります。
また、各パートについての解説や、問題を解くコツなども掲載されています。
このように、初心者でも取りかかりやすく、TOEICに必要なスキルを体系的に学んでいける教材となっています。
また、音読学習の教材としても使用することが可能。
「書き込みドリル」については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらの記事も読んでみてください。

書き込みドリルのほか、実際のテストに近い、公式問題集なども組み合わせて使うのがおすすめです。
公式問題集を活用すれば問題慣れができるほか、おおよそのスコアが把握でき、リハーサルとして問題を解くこともできます。
公式問題集の使い方に関しては、以下の記事でご紹介しています。
ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。


KIRIHARA Online Academyのオンライン学習について
私たちKIRIHARA Online Academyでは、TOEIC®L&Rテストを初めて受験される方にぴったりの、TOEIC®L&Rテスト500点突破コースを提供しています。
使用する教材は、先ほどご紹介した基礎事項を学べる「書き込みドリル」や、実践力を鍛えられる公式問題集。
また、TOEIC®L&Rテスト対策に特化した単語帳「Database TOEIC® L&Rテスト最強 単語&フレーズ」で語彙力の強化を図ります。


オンラインレッスンでは、指導経験が豊富な日本人講師が指導にあたります。
疑問があれば日本語で質問できるほか、「リスニング力がアップしない」といった学習の悩みがある際、日本語で相談できるのも魅力です。
さらに、たった2ヶ月の短期集中型のプログラムなので、すぐにスコアをアップさせたい方に特におすすめのコースといえるでしょう。
KIRIHARA Online Academyでは無料体験レッスンを実施しています。
TOEIC®L&Rテストを受けるのが初めてで、何から手をつければ良いか分からない方、英語力に自信のない方は、ぜひお気軽に受講してみてください。